人工透析治療・送迎サービス

尿路結石症

尿路結石症って?

(図1)

突然の腰痛・側腹部痛! トイレで血尿! そして健康診断で尿潜血を指摘! こんな経験したことがありますか?もしかすると、それは尿路結石症かもしれません(図1)

尿路(腎臓・尿管)結石症は泌尿器科診療の中でも最も頻度の高い疾患の一つであり、しかも再発率が非常に高い疾患です。また救急疾患としても頻度が高く、若年者から高齢者まで幅広く罹患する可能性があります。

一方、尿路結石症は再発しやすい疾患であり、腎結石においてその再発率は治療後3年間で30%、5年間で45%とも言われています。腎結石の再発を繰り返すことによる腎機能障害だけでなく、結石除去術による合併症も無視はできません。

尿路結石症の治療

(図2)

尿路結石症の治療は、小さい結石(<5mm)ならば経過観察、自然排石を促すなどの方法をとりますが、比較的大きな結石(5-10mm)になると積極的な治療が必要になることが多くなります。その治療は体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や、近年では腎結石を含めた全ての尿路に対する治療を可能にする手術方法である軟性尿管鏡を用いた経尿道的尿路結石砕石術(f-TUL)が患者さんにより身体的負担の少ない治療として広がっています(図2)。しかし、発見が遅れたり、見つかった時点ですでに結石が大きい場合(>2cm)には、これら非侵襲的治療では結石を無くすことは難しいため経皮的結石砕石術(PNL)といった方法を用いることになります。そのため、自分に何かサイン(側腹部痛、腰部痛、血尿など)があった場合には早めに泌尿器科を受診することをお勧めいたします。

正しい結石治療の選択

尿路結石の治療方法は、「結石の大きさ」、「結石の場所」、そして「病院の持つ医療設備や経験」によって決まります。かつては、そのほとんどの治療がお腹を切って結石を取り出す開腹手術でおこなわれていたが、今ではお腹を切らず治療する方法が主流である。

① 自然排石・薬物療法

直径6mmぐらいまでの小さな結石であれば、痛みをおさえながら水分摂取をおこない、尿中に自然に結石が排出されるのを待つこともできます。

小さくても自然に排泄されない結石や10~20mmやそれ以上の大きな結石になると、もはや自然に排泄されることは難しく、積極的治療の対象になります。特に尿管結石の場合、結石が尿の通り道をふさいでしまい、腎臓が腫れて(水腎症)しまうため、長い期間そのままにしておくと腎臓の機能が低下することになります。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

腎臓や尿管の結石に対して、痛み止めを使用しながら身体の外から衝撃波をあて結石を細かくして尿中に自然に排泄されるのを待ちます。

③ 経尿道的尿管砕石術(TUL)

腎臓や尿管の結石に対して、細い内視鏡とレーザーを使い確実に結石を細かくして取り出す治療です。最近の内視鏡技術の進歩により、施設によってはかなりの大きさの結石まで治療できるようになりました。

④ 経皮的腎砕石術(PCNL)

多くは腎臓や腎臓に近い尿管の結石に対して行います。背中から腎臓に対して細いトンネルをつくり、そのトンネルを通して内視鏡とレーザーなどを用いて結石を細かくして確実に取り出す治療です。ただし、経験がいる治療方法であり、施設によって治療成績や合併症には差があります。

⑤ 腎/尿管切石術(開腹または腹腔鏡)

①~④の治療方法でも結石治療が難しい場合に考慮される治療方法です。

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