豆知識
尿中に血尿が認められた場合、その精査のために膀胱内を内視鏡を使用して検査を行います。膀胱鏡を介して水を注入し、膀胱を満たします。水が膀胱内に溜まっていくにつれ、膀胱壁が伸展されるので、膀胱内腔全体を観察できるようになります。
異常が認められる組織がある場合は、膀胱鏡下で生検を施行することがあります。検査中、膀胱鏡が尿道から膀胱まで挿入される間に、痛みを感じる場合があります。膀胱が水でいっぱいになると、強い尿意を感じます。
膀胱鏡が抜去されたあと、内視鏡を尿道から膀胱に挿入していたため、尿道からの出血を伴い、血尿が一時的に強くなったり、排尿時の不快感、痛みがおこる可能性があります。
膀胱鏡(当院では主に軟性膀胱鏡)を用いて、膀胱側から逆行性に尿管カテーテルを腎盂まで挿入し、直接、造影剤を腎盂に注入する方法で、腎機能に関係、また、造影剤を血管内に注射することなく、腎盂、腎杯、尿管の形態を微細に描出できます。
仰向けにベッドに寝て、お腹全体の写真を撮影します(腎臓から膀胱までのX線写真)
当院では結石の有無の判別をするために撮影しています。
腎臓や尿管、膀胱の状態をX線で調べる最も一般的な検査法です。造影剤を注射し、腎臓、尿管、膀胱を経時的に数回造影し、その状態を詳しく調べます。造影剤アレルギーの方がおられますので、検査前に問診をさせていただきます。
造影剤を点滴静注してから経時的に数回X線撮影を行います。IVPで造影のされ方が不鮮明で診断が難しい時に行います。造影剤アレルギーの方がおられますので、検査前に問診をさせていただきます。
経皮的にカテーテルを腎盂に挿入し、造影剤を注入する方法で、腎機能低下のためにIVPで尿路系が造影不良の場合や、逆行性腎盂造影が困難な場合に行われます。
膀胱を造影剤により緊満させ最大尿意で排尿させる方法で、排尿に伴う膀胱尿道の動的画像が得られます。同時に、膀胱尿管逆流症の評価ができます。
膀胱にカテーテルを挿入し、あるいはあらかじめ留置されているカテーテルから造影剤を注入し、膀胱内の状態を描出する検査です。主に膀胱外傷や膀胱と隣接臓器との瘻孔形成の証明、膀胱憩室の確認や診断に用いられます。
外尿道から造影剤を注入して尿道から膀胱までを造影する検査で、尿道・膀胱の形状を観察することで、主に男性の尿道狭窄の部位や長さの診断や尿道損傷、尿道断裂が疑われる場合に実施します。
コンピューター断層撮影(CT)は、体腔内の腫瘍、出血、結石、嚢胞など様々な占拠性病変を高い精度で描出します。
超音波検査は、深触子(プローブ)から超音波を投射し、体内からの反射波を解析して画像を構築し、臓器や病変の性状を観察するものです。放射線を使わないため妊婦・小児にも施行可能で痛みはありません。
尿中に排泄されている赤血球、白血球、細胞、結晶、細菌などの固形成分の数や種類を調べる検査です。一般的に尿を一定量とり、遠心分離した沈殿物を顕微鏡で観て測定します。現在では、尿をそのまま機械にかけ、フローサイトメトリー法で尿中成分を測定する方法もあります。
尿路感染症の診断のために必要な検査です。細菌種の同定と薬剤感受性を調べます。外尿道口付近を消毒後、中間尿を外部汚染のないように採取するか、カテーテルを用いた導尿によって無菌的に採取します。
決められた時間に排尿し、その尿は廃棄した後に、翌日の同じ時刻までに排尿された尿をすべて保存する方法です。一定時間に生成された尿であるため、各種化学成分の定量測定が可能となります。24時間蓄尿が基本ですが、場合によっては12時間蓄尿を行うこともあります。
ある特定の腫瘍から直接産生されたり、腫瘍による病態生理学的変化により特異的に変化し、血中や尿中に異常産生される物質があります。これらを総称して腫瘍マーカーといいます。泌尿器科腫瘍の中では、前立腺癌におけるPSA、精巣腫瘍におけるAFP、β-hCGが有用です。血液を採取して検査します。
検査前立腺がんの検査で、もっとも精度が高く、簡単に行うことができる検査です。PSAは前立腺に特異的なたんぱく質の一種です。PSAは健康なときにも血液中に存在していますが、前立腺がんが発生すると、大量のPSAが血液中に流れ出します。
PSA検査とは、血液検査によりPSAの値を調べる検査です。PSA値が正常の値よりも高ければがんが疑われることになり、PSA値が高くなるにつれてがんの確率も高くなっていきます。しかし、PSA値が正常値より高値だからといって、必ずしも前立腺がんであるとは限りません。前立腺肥大症や前立腺炎でもPSA値が高値となることもあります。
したがって、PSA値が高い場合には、さらに前立腺がんである可能性を調べるために、直腸診、経直腸的超音波検査などを受けていただくことになります。
男性不妊症診断における基本的で最も重要な検査です。