豆知識
腎実質または尿路のいずれかの部位から出血があり、尿中に血液が混濁している状態です。出血量が少ない場合、尿の外観は正常と変わりなく、顕微鏡検査で尿中の赤血球を認めることがあります(顕微鏡的血尿)。
これに対して外観で血液の混濁が認められるものを肉眼的血尿といいます。血尿を認める場合には、腎臓から膀胱までの泌尿器系臓器の病気を疑います。泌尿器科領域では腫瘍、尿路結石、感染症、嚢胞性腎疾患、外傷、血管異常、奇形、腎下垂などがあります。ほかには腎臓内科的疾患による出血、凝固障害、過度の運動によるものなどに分類されます。
排尿時、尿道あるいは膀胱部に灼熱感、疼痛を伴います。 下部尿路の炎症性疾患に特有の症状であり、頻尿などの他の排尿症状を合併することも多くあります。 男性の場合、女性に比べ尿道が長いため,排尿時の痛みが起きる時期によってある程度、原因がわかることがあります。
排尿開始時の痛みは,前部尿道(陰茎部)の炎症あるいは亀頭包皮炎に伴う症状です。排尿中に痛みを感じる場合では、急性尿道炎、尿道狭窄、膀胱炎などが考えられます。排尿の終わりに痛みが感じられる場合では、前立腺炎や膀胱頸部の炎症などが考えられます。女性の場合は、尿道が短いために男性のような分類はあてはまりません。女性の排尿痛で最も多いのは、急性膀胱炎です。一般に排尿の終わりに痛みを感じることが多く、残尿感や頻尿といった症状を伴うことが多くあります。
排尿回数の多くなった状態のことです。通常、1日の排尿回数が10回を越えるものをいいます。昼夜間ともに起こる場合と、昼間のみ、夜間のみに起こる場合があります。通常、成人の排尿回数は1日4~6回で、そのうち夜間の排尿は0~1回位です。
様々な疾患で生じる症状ですが、50歳以上の男性の場合、前立腺肥大症が原因となることが多いようです。中には、尿意切迫感といって、急いでトイレに行かないと間に合わないといった症状を伴う場合もあります。
女性の場合、頻度として多いものは急性膀胱炎による膀胱の刺激によるものや、膀胱の神経が異常をきたしている為に頻尿になっている神経因性膀胱などがあります。
膀胱刺激症状の一種で、排尿後に不快感を感じることがあります。 実際に残尿があることは多くありません。
男女を問わず、様々な原因が考えられますが、50歳以上の男性の場合、前立腺肥大症が、女性の場合は、急性膀胱炎による膀胱刺激による原因が多いようです。また、男女に関わらず何らかの理由により起こる神経因性膀胱が原因となる場合も考えられます。
正常の排尿の場合、とくに努力を要さずに太い尿線で勢い良く尿が排出され、短時間に排尿が終了しますが、このような円滑な排尿が障害され、排尿に努力を要する状態のことを総称していいます。
男性の場合、前立腺肥大症や前立腺癌、神経因性膀胱や炎症後の尿道狭窄などが考えられます。 女性の場合には、神経因性膀胱などが考えられます。 また、年配の女性では子宮や膀胱が加齢と共に下へずれることがあり、それにより尿道を圧迫することでオシッコが出にくくなることも考えられます。
膀胱内の尿を排出できない状態を尿閉といいます。 排尿が全くできない完全尿閉と、少量の尿は排出できるが大部分は残尿として膀胱内に存在する不完全尿閉とに大別されます。 また、1日の尿量が極端に減少した状態で、400ml/日以下を乏尿、100ml/日以下を無尿といいます。
意識的に制御できない不随意の尿排出のことです。 トイレが間に合わず漏れてしまったり、くしゃみや咳をすると尿が漏れる、ひどくなると階段を上ったり歩くだけで漏れることもあります。 神経因性膀胱やおなかに力が入ったときにオシッコが漏れる腹圧性尿失禁などがあります。 歳のせいだと考えずに、泌尿器科を受診されることをお勧めします。
尿中に白血球が多数混入して尿混濁を呈する状態で、尿路に炎症があることを示します。 通常は黄白色の混濁を示します。 男性の場合は尿道炎、女性の場合は、膀胱炎が原因となることが多くあります。
射精時、血液が原因で暗褐色の精液を排出するもので精嚢、前立腺、後部尿道の炎症、腫瘍、結石が原因となることが多くあります。精査をお勧めいたします。
性交時に有効な勃起が得られず、満足な性交が行えない状態です。 通常、性交の機会の75%以上で性交が行えない状態と定義されています。