慢性腎臓病(CKD)の薬物治療について

慢性腎臓病(CKD)の薬物治療について

2022.04.11腎臓内科

原泌尿器科病院 薬剤部 腎臓病療養指導士 逸見 由紀子

慢性腎臓病の治療薬には、様々な薬が用いられます。
中には服用しにくい薬もあり、工夫が必要となります。
今回はその中で「尿毒症治療薬クレメジン」についてお話します。

1.尿毒症の症状とは?

腎臓の働きが悪くなると、もともと体の外へ排出されるべき老廃物や毒素が血液中に蓄積されます。
その結果、血液が汚れて、貧血やむくみ、体の疲れ、頭痛、食欲不振などの様々な症状が現れます。
このような症状を尿毒症症状と呼び、尿毒症を引き起こす物質を総称して尿毒症物質と呼びます。
食事制限などにより、ある程度の尿毒症の改善は望めますが、腎機能の悪化に伴い、尿毒症物質の蓄積は進行します。

2. クレメジンの効果

クレメジンは、これらの尿毒症物質を消化管の中で吸着し、それを糞便中に出すことで、体の中に尿毒症物質をためないようにする薬です。
クレメジンは、他の薬と違い、飲んだ後血液中に入ることなく体の外へ移出されるため、便秘や腹部膨満感以外には副作用はほとんどありません。

2. クレメジンの効果

クレメジンには、カプセル、細粒、速崩錠の 3 種類があり、通常 1 日 3 回服用します。

3.クレメジンはなぜ腎不全の進行を遅らせることができるのか?

腎不全の進行には、体の中にたまった尿毒症物質が関与するといわれています。クレメジンは拡大すると、目に見えないほどの無数の細孔があるため、尿毒症物質が吸着する面が広くなるよう設計された薬です。
そのため、クレメジン 1g の表面積は 1,590 m2で 1 日量(6g)だとサッカー場一面以上に匹敵し、効率よく尿毒症物質を体の外に排出することで、腎機能の悪化を遅らせています。

4.クレメジンは、他の薬と同時にのんではいけない理由

他の薬物と同時に服用すると、他剤を吸着し、効果が低下するため、クレメジンは 30 分から 1 時間以上ずらして服用する必要があります。
実際には食後に飲む薬が多いため、クレメジンを食間(食後 2~3 時間)に服用していただくことが多いです。

5.クレメジンは量が多くてのみにくいです。上手にのむには?

カプセルタイプは 1 回 10 カプセルと服用量が多いですが、10 カプセル分が 1 袋に入った細粒タイプがあります。
細粒は、フクロオブラートや嚥下補助ゼリーを使って飲む方法もあります。また少量の水を入れたコップにクレメジンを入れると、クレメジンは底の方に沈みます。
それをストローで吸うと、水も少なくて上手に飲めます。
速崩錠は服薬ボリュームを大きくすることなく、また、少量の水で速やかに崩壊しながらも口腔内での拡散は抑えることで飲みやすくした剤型です。ただし速崩錠は、OD 錠(口腔内崩壊錠)ではありませんので唾液だけでのみこむことはできません。
少量の水で崩壊させながら飲み込むというイメージです。

これまで、クレメジンと別のジェネリック医薬品と比較した試験で、ジェネリック医薬品の効果が劣るという報告があります。医師と十分にご相談の上、使用することをお勧めします。
慢性腎臓病を進行させないためにクレメジンの効果を十分理解していただき 、ご自分にあった方法で服用できるよう、お困りのことがございましたら医師・薬剤師へご相談ください。

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