診療について
皆さんは普段から、シャントの観察はできていますか?
シャントの調子が体調に影響を及ぼすことがあります。
シャントは透析をするための大切な命綱です。
必ず1日1回は観察しましょう!
シャントの管理は「観る」「聴く」「触る」が基本です!
<観る>
シャントのうでの色を観察しましょう。
皮膚の色に変化があるときは、何らかの異常が起こっていると考えられます。
<聴く>
シャント音を聴くことは、異常の早期発見の第一の方法です。
自前の聴診器を用いる、又はシャントのうでを直接耳に当てることでシャント音を確認することが出来ます。自分のシャント音が分かるようになると「あれ?いつもと違う音がする!」と異変にいち早く気付けるようになります。
1日に最低1回はシャント音を聴くようにしてください。
聴診器は当院でも購入出来ますので、スタッフへお声がけください。
<触る>
シャントをつないだところ(吻合部)から順に全体を触ります。
シャントは吻合部でよく詰まるため、この周囲を念入りに触ります。
シャントが詰まっている場合は、その部分が硬くなり痛みも出ます。
硬いところがないか、痛いところがないか、血液が血管の中を流れるザーザーとした独特の感覚(スリルと言います)を感じるか確認します。
穿刺位置が同じ位置ばかりに偏ると皮膚や血管が脆弱になります。
血栓や狭窄などシャントトラブルに繋がりやすくなり、治療が必要になることや長期開存できない可能性も高くなります。
リドカインテープを貼る位置や穿刺する位置をスタッフと相談して適宜位置変更をするのが望ましいです。
穿刺位置を変更すると痛みが強くなるのではないかと不安がある方もいると思いますが、逆に現在の穿刺位置より痛くなくなる可能性もあります。
特に痛を既に認めている方は穿刺位置変更を検討するのも良いかもしれません。
スタッフまでご相談ください。
≪ごしごし洗いは禁物!≫
ナイロン製のタオルやタワシなどの硬い素材でゴシゴシ洗わない。力強く洗うと皮膚表面を傷つけ、バリア機能を低下させるなど、かゆみの悪循環(皮膚症状の悪化→かゆみ→掻く)へ繋がります。
柔らかい綿や絹などの素材や、手のひらでやさしく洗いましょう。
≪お湯はぬるめで長湯は避ける!≫
熱い湯船やシャワーは、皮膚を刺激してかゆみを誘発します。
43℃以上はかゆみや痛みとして認知されるため38~40℃のお湯が適温です。入浴時間は15分以内にしましょう。長湯によって皮膚表面の水分を蒸発させ、乾燥しやすくなるので注意が必要です。
≪お風呂上りには保湿剤を塗りましょう!≫
入浴後の肌は、皮脂が少なくなっているので乾燥しやすい状態です。
肌が潤いを保っていられるのは10分!お風呂から上がったら、10分以内に保湿ケアをしましょう。痒みが強い方は、当院で軟膏を処方いたします。
透析前に軟膏や保湿剤を塗ると、固定テープが剥がれやすくなり針が抜けてしまう恐れがあるので避けましょう。
その他、シャントを守るために以下のことに気をつけましょう