原泌尿器科病院 - 神戸市の泌尿器科・腎臓内科|日本医療機能評価機構 認定病院

尿路結石治療への取り組み

2020.09.10泌尿器科

尿路結石シリーズ2

当院での尿路結石治療への取り組み

原泌尿器科病院 診療副部長&尿路結石治療副センター長 藤田 雅一郎


残暑滞るこの季節!まだまだ暑い日が続いておりますが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか?
こんにちは、診療副部長の藤田です。
今回は当院の専門分野の一つである尿路結石の治療に関して、すこし深く掘り下げてみようと思います。

尿路結石とはおしっこの成分から結石が形成され、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道にできた結石の事です。夏になると脱水になりやすく、尿も濃縮され、さらに紫外線を多く浴びるためにカルシウムの吸収が増加し、結石ができやすい傾向にあります。
また、尿路結石は食生活、水分摂取量だけではなく、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)とも深く関連があります。結石と言えば激痛を伴うと思われる方も多いですが、症状がない場合も多く、最近では健康診断や人間ドッグでたまたま発見される場合も多くみられます。

さて、あなたの腎臓や尿管に結石があると診断された場合、皆さんはどうされますか?

一度は専門の先生の意見を聞くことをお勧めします。専門ではない先生の場合には症状がなければ放置して良いという方がいます。これは時に大きなしっぺ返しをくらうことになります。そのため、一度は専門の先生がいる病院に受診して指示を仰ぐ方が良いでしょう。

尿路結石の中には、比較的症状が出やすく、腎機能に影響するために治療が必要になってくる場合があります。このような時、どのような治療法があるかについて今回お話したいと思います。

1、待機療法、薬物療法

:自然に排石されるのを待ちます。

発熱や強い痛み、嘔吐などの症状がなく、1cm未満で尿の流れが妨げられていない(水腎症の状態)場合には2-3週間程度の自然排石を待つことがあります。自然排石率は4mm以下で95%、5-10mmで47%程度との報告もあります。もちろん、この待機期間中に疝痛発作(間歇的は激痛)を認めることがあります。
そのため薬物療法として、排石促進効果を期待して生薬や漢方薬の内服、鎮痛薬(内服、座薬)などを使用します。
2-3週間程度、結石の位置が変わらない、もしくは発熱(腎盂腎炎)、疼痛の増強、尿の通過障害の悪化(水腎症の増悪)があれば尿管ステント留置や入院加療を行います。

2、対外衝撃波結石砕石術 (ESWL)

:衝撃波(音波)で結石を割り、自然排石を待ちます。

腎や尿管にある「1cm程度」までの結石を対象に行います。レントゲンで結石の場所を確認し、ベッドに寝た状態で背中から(部位によってはお腹から)体外衝撃波をあてて結石を割ります。痛み止めの点滴を行いながら、30分~1時間程度で治療は終わります。

当院では日帰り、もしくは1泊2日の入院で治療を行っています。
当院の大きな特色として受診日当日の即日ESWLも積極的に行っています。お仕事やご予定を考慮した日程を調整し予定を立てることも可能です。

この体外衝撃波は複数回行うこともできますが、多くの場合は2-3回(1回目効果:70-80%, 2回目効果:30%,3回目効果:5%未満)までです。それ以上の同じ治療は効果がないだけでなく、次の治療に大きく影響するため計画立てた治療計画が必要になります。
また、尿の通過障害が悪化するようであれば尿管ステント留置や手術をお勧めする場合もあります。数%(当院治療経験からでは1%程度)で治療後に血腫(腎臓の周りに出血する)が出来る場合がありますので血液をサラサラにする薬を飲んでいる方などは適切な期間薬剤中止を行います。

3、経尿道的腎尿管結石砕石術 (TUL)

:細いカメラ・内視鏡を使って結石を見ながらレーザーで割って取り出します。

一般的には1.5cm程度までの結石に対して行います。
ただし、当院のような特化した専門の病院では経験が豊富な医師が多く~2cmまでの結石を治療対象としております。
もちろん腎臓や尿管の中に多数の石がある場合にも行えます。

手術方法ですが、ボールペンの芯ほどの細さの内視鏡を用います。尿道からカメラを入れて治療を行いますのでお腹を切ったりすることはありません。全身麻酔で寝ている間に1-2時間程度で手術は終了します。前日入院もしくは当日入院で3-4日程度の入院期間で治療します。
結石が詰まっていた場所は術後狭くなることがあるため、一般的には尿管ステントを1週間程度入れておきますが、当院では多数の手術の経験があり、40%程度の症例では手術後の尿管ステントの留置は行わないようにして、患者様の生活の質(QOL)を保てるように努力しています。
また、数日間尿管ステントの留置が必要と判断した場合にも尿管ステントにひもを付けたままにして置き、尿管ステントを抜去する際に膀胱の中にカメラを入れることを回避するようにしています。

4、経皮的腎結石砕石術 (PNL)

:背中から腎臓に小さな穴をあけて、そこからカメラを入れて石を砕きます。

腎臓の中にある2cm以上の大きな結石や尿管からカメラで到達できないような結石に対して行います。また、サンゴ状結石と言われる複雑な形をした腎臓の結石に対して行います。全身麻酔で背中から腎臓に向かって針を刺し1cm程度の穴をあけてそこからカメラを入れて石を割ります。
当院では同時に経尿道的手術も組み合わせることで、治療効率の向上を目指しています。入院期間は1-2週間程度です。
石の大きさや場所によっては複数回に分けての治療を計画する場合もあります。手術直後は背中から腎瘻(おしっこが流れる管)が出ていますが、治療が終了すれば抜去します。治療後の傷跡は「にきびを潰した後」くらいです。お腹を大きく切ったりすることは全く必要ありません。

以上、当院で行っている結石治療について紹介させて頂きました。
当院では新たな医療機器を積極的に取り込み、最新の結石治療を提供できるよう努力し、患者様の苦痛を取り除き生活の質を上げる事、腎臓の機能を可能な限り守ることを目標として治療を行っております。
当院での豊富な経験を生かして、他の病院で治療できない症例などにも出来る限り対応していきたいと考えております。
現在治療中の病気がある場合や、血液サラサラの薬をやめられないなどがある場合にも最適な方法を検討しますのでいつでも御相談下さい。
またオンラインによるセカンドオピニオンも積極的に行っていますので、ホームページよりいつでもご連絡いただければ医師が適切に対応しお話しさせていただきます。

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